「暗っ……」
 三月の大震災の影響なのだろうか。
 九ヶ月経った今でも東京では割と大きな地震が起きている。
 今回の揺れもすぐに収まったが、停電はそのままだ。

 非常灯だけのエレベーターの内部は薄暗くて心細い。
 いや、薄暗いだけで済めばいい。電源を失ったエレベーターがこのまま落ちてしまわないか、僕はだんだんと心配になってきた。

 エレベーターに乗ったのは塾のある三階。
 塾の事務室のある五階に寄ろうとしたら、女の子と一緒になった。
 そして、エレベーターが動き出してすぐに地震が起きたような気がする。
 ということは、今僕がいる場所は四階くらいだろう。もしブレーキが効かなくなってエレベーターがこのまま落ちてしまったら、その高さから一階部分のコンクリートに叩き付けられることになる。

 マジかよ、勘弁してくれよ……。

 僕は祈るような気持ちで天井を見上げる。その時にちらりと横目で見た隣の女の子は、もっと不安そうな顔をしていた。エレベーターの中は、僕と彼女の二人きりだった。


 >つづく